2011年東北地方太平洋沖地震津波による建物被害地図
東北大学大学院工学研究科・災害制御研究センター

建物被害地図について

 2011年東北地方太平洋沖地震津波による甚大な被害に見舞われた皆様に心よりお見舞い申し上げます.

 わたしたちは,東北地方を襲った地震と大津波による被害の全容解明を第一義の使命として活動してきました.震災発生から2ヶ月以上が経過し,その結果をこれからの東北の再生・復興まちづくりにむけて,社会全体で共有していきたいとの想いから,建物被害地図を作成しました.この地図は,国土地理院が撮影した震災前後の航空写真から,建物の屋根の存在に着目して目視により流失の有無を調べ,住宅地図上に表示したものです.

 津波浸水域内の家屋の流失状況を俯瞰して見ることはきわめて重要です.建物被害状況と,防波堤・防潮堤等の海岸施設の被害状況と関連づけることで,海岸施設がどの程度被害軽減に寄与したかなど,これまでの津波防災対策の検証を行う必要があります.また,海岸の地形,標高や土地利用などの様々な地理的条件や現地調査・シミュレーションによって得られる津波の流体力学的な諸量(浸水深や流速等)と関連づけて考えることで,地域がもつ津波に対する脆弱性が分かります.

 復興計画の策定にあたり,津波被害の実態や地域の脆弱性をきちんと理解し,それらを教訓としてまちづくりに反映させていく必要があります.また,災害の被害の記憶を地域に残し,次代に教訓を語り継いでいかなければなりません.

 地域の防災・減災機能を高め,東北がより魅力的な地域へと再生していくための準備として,建物被害地図を利用いただければと願っています.

東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター 准教授 越村 俊一
東北大学大学院工学研究科 土木工学専攻 博士課程前期 郷右近 英臣
東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター 助 教 柴山 明寛
東北大学大学院工学研究科 災害制御研究センター 教 授 今村 文彦

建物被害地図・復興地図作成プロジェクトへの参加のお願い

 建物被害地図だけでなく,東日本大震災からの復興過程におけるあらゆる情報を,GIS(地理情報システム)を利用して空間的・時間的に可視化し,地域社会で共有するための地図,災害の記憶を風化させないための取り組みを支援する地図の作成を目指しています.

 復興計画が策定され,新たなまちづくりが始まります.わたしたちのまちがこれからどのように再生していくのかを知り,それを皆で共有できるよう,被災地における環境の移り変わりを地図に表現していきたいと思います.たとえば,被災家屋の再建状況や,地域の土地利用状況の変化,様々なインフラの整備状況,被災地のいまを写す写真等をGISに展開して配信します.この取り組みを,東北復興地図作成プロジェクト(TRM : Tohoku Renovation Mapping)と呼びます.現在,以下の機関・組織が地図作成に参画しています.

 本プロジェクトの趣旨に賛同して下さる方,良いアイディアをお持ちの方,ぜひご参画をお願いいたします.map@tsunami2.civil.tohoku.ac.jp 宛にメールをお送り下さい.

建物被害地図

 建物被害地図は現在のところ.pdfファイルでの配信とし,1:25000スケールでA3サイズでの印刷を前提に作成しています.この地図で示されている流失建物の分布は,航空写真の目視判読により得られたものです.従って,誤判読等の誤った結果が含まれている可能性がありますのでご注意願います.誤判読については分かり次第修正していきます.

重要なお願い

 本地図をお使いいただく際には,お手数ですが,(a)お名前,(b)ご所属,(c)ご連絡先,(d)用途,(e)ご要望などを,map@tsunami2.civil.tohoku.ac.jp 宛にお送り下さい.書式はこちらです.

宮城県建物被害地図

岩手県建物被害地図

現在配信準備中です.

謝 辞

 本プロジェクトは,NEDO産業技術研究助成事業(プロジェクトID:08E52010a,代表:越村俊一)および科学研究費補助金(課題番号:22681025,代表:越村俊一),および東北大学運営交付金(特別) 東北太平洋沿岸における緊急津波実態調査(代表:今村文彦)の補助を受けて実施しています.また,建物被害の判読には国土地理院撮影の航空写真を利用させていただきました.住宅地図は,東京大学・空間情報科学研究センターとの共同研究の一環(代表:柴山明寛)で,株式会社ゼンリンから提供いただきました.

お問い合わせ

 本件についてのお問い合わせは, map@tsunami2.civil.tohoku.ac.jp 宛にメールをお送り下さい.